秋も深まった、10月の下旬のA la Tableです。
Salade de kaki et fillet de canard fume 燻製したシャラン産の鴨と柿を組み合わせたサラダです。 鴨の燻製は、 以前にもご紹介した自家製のもの。 じっくり時間をかけた燻製は、やはり格別の美味しさ。 以前は、温かいメインのお料理としてご紹介しましたが、 今回は、良く冷やして、ハムのようにスライスしてサラダ仕立てにしました。 サラダのリーフには、ベビーレタスなどの他に、たっぷりのチャービルとイタリアンパセリを入れました。 このハーブたっぷりのサラダ、とても美味しくて、大好きです。 特に今回のように、鴨やハムなど、お肉を入れたサラダにはハーブが良く合います。 チャービルなど、あしらいに使うだけでは余ってしまうことも多いと思いますが、 そんな時は、是非サラダに入れてみてください。 柿の他には、香ばしくソテーした蕪を添えました。 これも、鴨とよく合って、いいアクセントになりました。 秋らしい味の組み合わせで、今年、何度も作ったサラダです。 Bouchees a la reine メインは、鶏のクリーム煮を、パイに詰めたお料理です。 a la reineというのは、「王妃の」という意味で、ルイ15世の王妃のマリー・レグザンスカが、 パイ料理が大好きだったことからついた名前だそうです。 通常は、一口サイズで前菜に出すことが多い料理ですが、 今回は、これをメインにしました。 丁寧に作ったベシャメルソースに鶏肉、茸を入れたクリーム煮を、 パイ生地に詰めました。 茸は、大黒じめじ、マッシュルーム、ジロール茸、シャントレルを取り合わせて、たっぷりと。 今回使った鶏肉は、山口県の地鶏で、 長州黒かしわという鶏肉です。 この鶏肉、最初に出会ったとき、衝撃の美味しさで、究極の鶏肉だ!と、すっかり惚れ込んでしまいました。 天然記念物の黒柏鶏を元に、食用にかけ合わせて作った鶏肉で、 肉質がとても緻密で、ベルベットのような滑らかな食感と、濃厚な旨みが特徴です。 今回のように、煮込みにしても、もちろん美味しいですが、 この鶏肉の良さをより味合うには、蒸し鶏が一番のお薦め。 肉質の緻密さが一番よく分かります。 他には、焼き鳥も最高(もちろん、お塩はクリスマス島の塩で!)ですし、 シンプルなソテーにしても、 身はしっとりジューシーで、程よい厚さの皮目のパリッとした美味しさとのコンビネーションが最高です。 この鶏肉を扱っている、紀伊国屋さんの精肉の方に伺ったのですが、 日本中のありとあらゆる鶏肉を食べた、という鶏肉を研究している学者さんが、 「日本で、一番美味しい鶏肉。」と、仰っているとか。 それも納得の美味しさです。 今回は、仕入れの関係で、最終日の方には、ご紹介出来なかったので、 また、今後、いろいろなお料理でご紹介したいと思います。 Linzer Torte デザートは、リンツァー・トルテ。 オーストりアのリンツァー村で作られている、特産のお菓子です。 フランスでは、アルザスでも、似たお菓子があります。 ナッツがたっぷり入っていて、芳ばしく、ざくっとした食感のお菓子ですが、 独特の素朴な魅力があります。 混ぜるだけの簡単なお菓子ですが、このお菓子を作るときの、美味しさのポイントは、 中に入れるナッツは市販のプードルでなはく、自分でローストして、粗挽きにすることです。 シンプルなお菓子だけに、このひと手間で、 お菓子の味わいと芳ばしさが、まったく違います。 こんな感じの10月のA la Table、深まりゆく秋を楽しんでいただけていたら、嬉しいです。
by alatable2
| 2014-12-21 15:20
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